エメラルドの価値を決める評価基準とは?宝石の買取相場も
エメラルドといえば、ダイヤモンドやルビー、サファイアと並んで四大宝石のひとつに数えられる宝石の中でも高い知名度を誇る石です。
一方で、石の特徴や価値については意外と知られていない部分も多く、エメラルドジュエリーをお持ちの方の中には「このエメラルドってどれくらいの価値があるのだろう?」と考える方も少なくないでしょう。
そこで今回は、四大宝石エメラルドについて、石の価値を決める評価ポイントや弊社買取実績に基づく買取相場などをご紹介していきます。
エメラルドの価値を知ることによって購入時や売却時にその金額が妥当なのか判断する材料の一つとなります。どうぞお役立てください。
エメラルドの価値を決める4つのポイント
緑色の宝石の代表である“エメラルド”は人々の心を掴んで離さない宝石でクレオパトラも愛した宝石として有名です。よく知られている宝石で中古の市場でもかなり需要があり高値で取引されている宝石の一つです。
宝石といっても色々な種類がありますが、まずいえることは需要が高い宝石は高く取引され、価値がある宝石として高く評価されます。
知名度、人気、需要どれをとってもエメラルドはトップクラスを誇りますので、そういった面でもエメラルドと言う宝石はかなり高い価値がある宝石と言えます。
ここからエメラルドの価値を決める4つのポイントについてご説明します。
価値を決めるポイント1:カラー(色味)
エメラルドだけではなくその他の宝石すべてにいえることですが、石の色味によって価値が大きく変わります。
最も評価が高いエメラルドは色のムラが少なく、色合いが均一、濃すぎず、薄すぎない色味の物です。色合いにムラが多いものや色味が薄いもの、黄色みや青味が強いと価値としては下がります。
エメラルドは、石の内部に気泡などの内包物ができやすく、そのままでは決して美しいとはいえないため、市場に出回るエメラルドのほとんどに処理が施されています。これによって石本来の美しさを引き出すわけです。
エメラルドの処理については後ほど詳しくご説明します。
価値を決めるポイント2:カラット(重さ)
エメラルドの価値を決める2つ目のポイントが石の重さ(カラット数)です。
もちろんカラット数の大きなものがより高い価値を持ちますが、あまり大きすぎるものはジュエリーに向かない場合もあります。
センターストーンとして最も人気で市場に流通しているのは、1~5ctのエメラルド。
美術館などに飾られる芸術品としてのジュエリーについては10ct以上の大粒のものもあります。
価値を決めるポイント3:カット(研磨の仕上がり)
エメラルドについて、人の手が価値に大きく影響するのがカット(研磨)です。
エメラルドなどの宝石は原石を加工して仕上げますが、カットの仕方やデザインによって価値が大きく変わります。
エメラルドのカットといえば、長方形に研磨された「エメラルドカット」が有名ですが、これは、硬度の低いエメラルドを割れや欠けから保護するために考案されたカットで、その透明度を最大限活かせるカットでもあります。
高い技術を持つ職人は、石が持つ色を引き出し、また内包物ができるだけ目立たないような研磨を施し、エメラルドの持つ価値を最大限に高めるのです。
価値を決めるポイント4:インクルージョン(内包物)
エメラルドの価値を決める4つ目のポイントが、インクルージョン(内包物)の程度です。ただ、内包物があるからといって価値が下がってしまうというわけではありません。
エメラルドは元々内包物(インクルージョン)ができやすい宝石。
そのため、市場に出回るエメラルドのほとんどがエンハンスメント、またはトリートメントといった処理が施されています。
処理方法によってエメラルドの価値が大きく変わる場合がありますので、エメラルドの購入や売却を考えるとき、石に施された処理について知っておくと失敗がないでしょう。
エンハンスメント(改善)とは
高値で取引されているエメラルドに施されている処理がこの「エンハンスメント(改善)」です。
主に透明なオイルや樹脂が用いられ、石の内包物を見えにくくし、石本来の美しさを引き出すための改善処置が施されています。
宝石鑑別・鑑定大手の中央宝石研究所(CGL)から発行されたエメラルドの鑑別書を例に出すと
「透明度の改善を目的とした無色透明材の含侵が行われています」といったように、エメラルドの処理を記載した文があります。
この場合は無色透明なオイルによる透明度の改善を目的とした含侵処理、ですので「エンハンスメント(改善)」ということがわかります。
トリートメント(改良)とは
トリートメントとは、石本来の美しさを引き出すエンハンスメントとは異なり、石の色や透明度を改良してしまう処置のことです。
具体的には、色の付いたオイルや樹脂で石の色そのものを底上げしたり、ガラスなどを充填して透明度を上げるような処理です。
これは石そのものを修正する行為ですので、当然エンハンスメントのエメラルドよりも価値は下がってしまいますので注意が必要です。
トリートメントについてもエンハンスメント同様、鑑別書に明記されます。
買取業者の中には、宝石の扱いに不慣れで、持ち込んだ石を過小評価される場合もございますので、エメラルドを買取に出す際は、信頼のおける機関が発行した「宝石鑑別書」があったほうがより安心でしょう。
エメラルドの産地による価値の違い
エメラルドが取れる産地がいくつかありますが、中でもコロンビア産のエメラルドが最も美しく価値が高いとされています。
産地によって色味などに特徴がありますが、コロンビア産のエメラルドは少し黄色みがかっているのが特徴です。
エメラルドといったらコロンビアといわれるほどの名産地ですがコロンビア以外にもザンビアやブラジルなどでも採れます。ザンビア産のエメラルドは少し青味があり、色は濃いものが多いです。ブラジル産のエメラルドも少し黒味がかっているものが多いのが特徴です。
産地によって倍以上価値が変わることもあるほどで、産地もエメラルドの価値を決める重要なポイントとなっています。
弊社買取実績によるエメラルドの相場
最後にエメラルドジュエリーの相場について、弊社買取実績をもとにご紹介します。
カボションカットのリング(買取価格:6.6万円)
買取価格:66,000円
宝石:エメラルド1.69ct ダイヤモンド0.35ct
素材:プラチナ900
こちらも珍しいカボションカットのエメラルドリングです。
カボションカットとは翡翠によく見られるカット法で、丸型に研磨すること。こちらのリングは約70万円で購入されたそうですが、エメラルドのカボションカットは流通量がとても少なく、安定した価格が付かない傾向があるため、こちらの買取金額となりました。
希少性は査定時のひとつのポイントではありますが、こちらはそれがマイナスに働いたケースとなります。
透明度がやや低いリング(買取価格:2.3万円)
買取価格:23,000円
宝石:エメラルド1.78ct
素材:プラチナ900
こちらはやや透明度の低いリングとなります。
使用感も見られましたが、それ以上に色味がややくすんでおり、インクルージョンも多々見られました。お客さまはそれらを承知で買取に出されたようで、金額としては納得のお取引となりました。
こちらのリングのように、石の透明度は査定するうえで最初の指標になる部分です。処置の具合によっては経年劣化が起こるエメラルドも中にはございますので、購入時には宝石についての情報をよく確認の上買われたほうがいいでしょう。
まとめ
エメラルドの価値を決めるポイントや相場についてお話してきました。
カラット数についていえば、比例して金額も上がっていきますが、石の質によってかなりばらつきがあり、同じ20CTというサイズでも200万で買取ができるものもあれば20万~30万ぐらいになる場合もあります。
サイズが小さく品質が悪いものはほとんど値段が付かないものもあり、逆にサイズが小さくても品質が良ければ数十万単位で値段が付く場合もあります。
また、一般的には鮮やかで濃い色のエメラルドの需要が高いですが、中には品質の高い淡い色のエメラルドは、査定額を高めに設定しているお店もあります。
ウォッチニアン買取専門店では評価をAAからDクラスにわけてエメラルドの買取相場表を掲載しております。ぜひ参考程度にどれくらいで売れるのか知りたい方はご覧ください。
宝石はその他にも、産地やサイズ、透明度など業者によって価値の判断基準は違うので、買取相場も業者によって上下することは覚えておきましょう。
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