エルメス素材一覧|人気がある革の種類や特徴

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ブランドバッグ

高級バッグブランドとして世界中に名を馳せるエルメス

ハイブランドの最高峰として支持される理由として、上質な素材とその素材バリエーションの豊富さがあります。

バーキン、ケリーなどの代表的なバッグ、アザップやドゴンといったロングセラーの財布などが、どれも豊富なレザーラインナップで展開されています。

今回は、エルメスの革の種類やその他さまざまな素材を一覧にまとめました。

エルメスの素材

エルメスの素材といえば、やはり革素材(レザー)

希少な最高級レザーを選りすぐり、創業以来変わらぬ手法である職人の手作業によって、ひとつひとつのエルメスアイテムがこの世に誕生します。

バーキンやケリーなどブランドを象徴するバッグ、ガーデンパーティやピコタンなどデイリーユースしやすいもの、比較的手が届きやすいベアンやアザップなどの財布小物。どんなジャンルのエルメス製品も、革素材なくしては語れないでしょう。

ハイブランドの最高峰ともいえるエルメスの魅力のひとつとして、限りなくシンプルなデザインに極上の革素材を掛け合わせているところです。またカラーバリエーションも豊富であり、素材とカラーの組み合わせは無限にも感じられるほど。

魅力溢れるエルメスの革素材、その他の素材についてもまとめました。

エルメスの革の種類

革の種類の豊富さと品質において、エルメスは他のブランドの追随を許しません。

数あるエルメスの革は、素材がほぼ同一でも加工法の違いによってまったく違う印象になるものも多数あります。

エルメスの革の種類について、人気のもの、よく挙げられるものを中心に紹介します。

牛革|ナチュラルな素材

自然な風合いで最も選ばれているのが、牛革そのままを生かしたナチュラルな素材です。

トゴ

1997年に登場して以来、エルメスの牛革でも最も人気の素材です。

トゴは仔牛の革が用いられ、しなやかで程よい張りもあり、傷が付きにくく型崩れしにくいなど、抜群の扱いやすさがメリット。

使い込んでいくごとに革がより馴染んでいき、時間経過も楽しめます。

また比較的はっきりとした目をしているトゴは、年式によってもその凹凸の具合が違うといいます。

トゴはベーシックな素材としてさまざまな商品で展開されており、エルメスの素材に迷ったらトゴがおすすめ。

ちなみにトゴには「血筋」があるのも特徴です。

血管が通った痕跡が筋となって現れるものですが、この血筋がトゴ独特の味でもあります。

トリヨンクレマンス

トゴと並ぶ人気素材のトリヨンクレマンスは1992年に誕生しました。

雄牛の革で、くったりとした極上の柔らかさが特徴。

トリヨンクレマンスは柔らかさがありながらも傷や擦れに強く、長年使いやすい素材です。

トゴよりも大きい目をしており多少マットな質感をしています。

ベーシックな素材として多くのアイテムで展開されています。

フィヨルド

雌仔牛の革を使用し、牛革の中でも非常に耐久性・耐水性がある素材がフィヨルドです。

程よい柔軟性、マットな質感、型崩れしにくい特徴もあり、日常使いに適しています

エルメスの中でもカジュアルなバッグである、ガーデンパーティやボリードなどでよく使われ人気がある素材です。

ネゴンダ

ネゴンダは雄の仔牛を使っており、パッと見はトゴとよく似ている素材です。

実際はトゴより柔らかく、シボと呼ばれる革独自の不規則なシワ模様が強く出ているのが特徴です。

また血筋も多数ある素材でもあります。

ネゴンダはガーデンパーティで人気の素材です。

エバーカラー

2013年に誕生したエバーカラーは、張りがありやや硬め、マットな手触りの雄仔牛のレザーです。

バッグよりも小物に使用されることが多い素材です。

牛革|型押し素材

牛革にしっかりプレス加工を施した素材です。

ヴォー・エプソン

ヴォー・エプソンは、クシュベルの後継として2003年に誕生しました。

雄仔牛を使用し、ハードな硬さで耐久性・耐水性に優れ、型崩れしにくいためとても扱いやすいと人気です

規則的な細かな革目が美しく、張りも強いことから、カッチリとした印象になりフォーマルシーンにもおすすめ。

バッグから財布まで幅広く展開され、牛革の型押し素材のなかで最もポピュラーな素材となります。

カントリー

2012年に誕生したカントリー。

雌子牛を使用し、粗い革目はザラリとした質感を演出します。

張りが強く硬い素材で、主に使用されるガーデンパーティではラフに仕上がる素材として人気が高いです。

ヴォー・マダム

出てから日が浅いマダムは雄仔牛を使用し、とても細かな革目に控えめな光沢があります。

まだ展開が少なく、バーキンやケリーなどの入手困難なバッグに主に使用されているため、目にかかるのもレアといえる素材です。

グランアッシュ

グランアッシュは雄仔牛を使用し、規則正しく並んだ織物のような細かな型押しが特徴。

ハードな硬さと光沢もあり、カッチリとした印象です。

また非常に型崩れしにくい素材です。

牛革|スムース素材

凹凸のない表面がなめらかな革です。高級感がありますが傷は目立ちやすいため、デリケートな素材です。

スイフト

2006年に誕生したスイフトは、雄仔牛の革を使い、しっとりと柔らかな質感です。

発色に優れているため、カラーアイテムが人気です。

ボックスカーフ

ボックスカーフは雄仔牛を使用し、なめし加工やガラス加工によって、きめ細やかでなめらかな質感に仕上がっています。

張り、硬さは強めで、エルメスの革の種類の中でもハイクラスな印象を感じる素材となります。

また経年劣化とともに光沢が出やすく、それもまた味わい深い点です。

スムース素材の中では耐久性があり、例え傷が付いても凹凸が少ないことからリペアが容易だといわれています。

シッキム

シッキムは雄子牛を使用し、非常に目が細かでくったりとした質感が特徴。

ツヤ、滑らかさもあり、とても優しい風合いの素材です。

ジョナサン

2019年に発売された、ほとんど目がわからないほどの繊細でスムースな素材です。

適度な柔らかさと、滑らかな仕上りです。

牛革|起毛系素材

少ないですが起毛系、スエードのような質感の牛革素材もあります。

素材 特徴
ヴォーベロアドリブス

・ベルベットのような手触り

・雄仔牛の表面を滑らかに起毛加工している

・非常に目が細かい

グリズリー

・ベルベットのような手触り

・雄仔牛の表面を短く起毛加工

山羊(シェーブル)

山羊皮は、大きく2つの素材に分かれます。いずれも比較的柔らかく軽い素材ですが、山羊革は牛革よりも丈夫な素材であるため、耐久性が高めです。

素材 特徴
シェーブルミゾール

・軽いが適度な硬さがある

・2002年に登場した素材

・小物などの小さなアイテムに使用

シェーブルコロマンデル

・軽い素材

・目の模様がシンメトリー

・適度な柔らかさ

水牛(バッファロー)

柔らかさがありながら防水性が高い水牛系素材です。

素材 特徴
ブッフル

・適度な柔らかさがある

・耐水性が高い

・目が粗め

ブッフルスキッパー

・目が細かい

・防水性が高い

・少し光沢がある

・さらに加工を施したものはダルメシアン(廃盤)

ブッフルシンドゥ

・2007年に登場した素材

・ガーデンパーティーでのみ展開

・やや目が粗め

・水牛素材のなかでは若干硬め

ブッフルガラ

・柔らかくなめした皮

・目が細かい

・主に小物に使用

ポンディシェリ

・適度な柔らかさがある

・目が細かい

・小物類でのみ展開

ワニ(クロコダイル)

エルメスにおいて最高級素材とされているワニ革。

素材の希少性に加え、加工にも高い専門技術が必要で、芸術品とも呼べるべき憧れの逸品。

ワニ革のバーキンともなると、500万を優に超える価格で取引されるほどです。

エルメスのワニ革は独特のウロコ模様で、高い防水性を誇ります。

また牛革に比べて軽く、張りが強いため、型崩れしにくいメリットも

ワニ革には高級な順にポロサス、ニロティカス、アリゲーターと3種類あり、ポロサスとニロティカスはクロコダイル、アリゲーターはアリゲーターというワニの名です。

また3種それぞれ光沢のある「リセ」、光沢がない「マット」の展開があります。

エルメスのクロコダイルの種類の見分け方は刻印部分です。

素材 特徴
ポロサス(ポロサス マット)

・ワニ革で最も高級

・東南アジアやオーストラリア原産のクロコダイル素材

・細かい革目が左右対称に規則正しく並んでいる

・「Λ」マークの刻印

ニロティカス(ニロティカス マット)

・アフリカ・ナイル川流域原産のクロコダイル素材

・ポロサスと同じか若干大きめの革目が左右対称に規則正しく並んでいる

・「・・」マークの刻印

アリゲーター(アリゲーター マット)

・アメリカ・ミシシッピ川流域減産のアリゲーター素材

・ポロサス、ニロティカスより大きい革目で不均等さがある

・「□」マークの刻印

トカゲ(リザード)

リザードと呼ばれる革は東南アジア原産のトカゲを使用し、細かいながらもはっきりとした革目と光沢が特徴的

主に財布や小さめのバッグや小物で展開されています。

素材 特徴
リザード

・東南アジアが原産地

・細かく目立ち艶感がある革目

・ワニ革と並ぶ高級素材の一つ

・「ー」マークの刻印

リザードナチュラ

・控えめな加工によりリザード本来の質感が特徴

・希少価値が高い

・「=」マークの刻印

その他の革

エルメスでは、牛革や爬虫類以外の動物の革も取り扱っています。

ダチョウやエミューといった鳥類の他、馬や豚などさまざまな動物の皮や毛をアイテムに採用しています。

素材 特徴
オーストリッチ

・ダチョウの皮

・発色が良い

・水玉模様(クイルマーク)がある

エミュー

・エミューの皮

・ぷつぷつとした手触りのクイルマークがある

・オーストリッチより斑紋が細かい

クランシュバル

・馬のしっぽの毛でできている

・主にエブリン(バッグ)に使用

・折り込んで作る素材

ポルク

・豚皮をなめしている

・ざらついた質感

キャンバスなど布素材

エルメスでは、革だけではなく布素材も使用しています。もちろんエルメスが使用する繊維はコットンなども上質です。

メインは布素材で持ち手は革素材のバッグデザインが基本で、カジュアルになりすぎず、また耐久性が欲しい部分には革で強化されています

エルメスの布素材バッグといえば、ガーデンパーティやエールバッグが思い浮かびますが、バーキンやケリーの展開もあります。

素材 特徴
トワルアッシュ

・エルメスのベーシックなコットンキャンバス素材

・平織りで丈夫

・2色の糸を織り込んでいる

トワルGM

・キャンバス地の目が粗め

・摩擦に強い

・丈夫で耐久性が高い

トワルポタモス

・軽いコットン素材

・川をイメージしたデザインが特徴

・縦のラインが目を引く

トワルジーン

・デニム素材

・摩擦に強い

・主にスニーカーに使用

トワルソーアッシュ

・「H」のロゴが織り込んである

・コットンとウールを使用したキャンバス素材

・軽くて耐久性に優れている

トワルオフィシエ

・細糸のみを使用

・1色の糸で織ってある

・主に「ガーデンパーティー」「エールバッグ」に使われる

トワルシェプロン

・コットンキャンバス素材

・美しい「斜紋線」が特徴

・柔軟性や耐久性が高い

パナマ

・パナマ草を使用

・ざらつきのある手触り

・ナチュラルなベージュの色味が特徴

ロカバール

・ウール素材

・明るい色合いが特徴

・虫食いが発生しやすい

フェルト

・ウール素材

・保温性や断熱性に優れている

・クッション性が高い

廃盤となった素材

エルメスがこれまで使用してきた素材の中には、現時点のコレクションでは製造されていない廃盤素材も多くあります。

素材 特徴
アルデンヌ

・雄仔牛の皮

・目が粗い

・硬めの手触り

クシュベル

・牛革の一つ

・ガラス加工され光沢がある

・目が細かくハリがある

・後継の素材はエプソン

リエジェ(リエージュ)

・牛革

・目が細かく硬め

・光沢がある

ヴォーグレネ

・牛革の型押し素材

・傷が目立たない

・光沢はなくマットな風合い

リセ

・光沢がある

・プレス加工で細かな型押し

・硬さやハリがある

ダルメシアン

・水牛系素材

・ダルメシアン犬のように見える凹凸加工

・やや目が粗い

ヴォー・ガリバー

・優れた柔軟性の牛革

・非常に細かく薄い型押しが施されている

・しっとりとした手触り

ヴィブラート

・山羊皮

・染色した山羊皮を何層にも重ねて裁断

・デリケートでもろい面がある

ヴィブラートスニップ

・ヴィブラートよりもさらに繊細な色合い

・縦横を意識したデザイン

・ヴィブラートよりもカラフル

クリノラン

・麻と馬毛でできた素材

・軽く、耐久性が高い

・光沢がある

レナージュ

・2006年秋冬パリコレクションの「デフィレ限定」

・ウールの素材

・軽いのに耐久性が高い

まとめ

 エルメスのアイテムは見た目が美しいだけではなく、耐久性の高さや手触りの良さなど、上質な素材が使われている点も人気の理由です。

素材によってアイテムの魅力が際立ったり、素材の違いによって違う魅せ方ができたりと、エルメスの素材は大変奥深いものです。

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