ダイヤモンドの原石は地球からの預かり物|採掘方法と種類
「ダイヤの原石」――優れた素質があると見込まれた人を称する比喩表現です。
私たちが目にする華やかなダイヤモンドジュエリーも、初めはゴツゴツとした原石でした。
それらの原石がどのように採掘され、分類され、美しいダイヤモンドになるのか。
今回はダイヤモンドの原石について、採掘方法や原石の種類をご紹介します。
ダイヤモンドの原石とは
原石とは加工する前の石、つまり「採掘されたままの石」のことです。
「ルース(裸石)」と混同される場合もありますが、ルース(裸石)とは原石を加工(カット・研磨)した後の宝石を指します。
「ラフダイヤモンド」とも呼ばれるダイヤモンドの原石は高品質な宝石用、低品質な工業用、というように品質によって分けられます。そして原石の形によっても分類されます。これらはあまり知られていないダイヤモンドの裏話かも知れません。
原石の品質や形と共に重要なのが、「原石の産地」です。宝石鑑定の権威「米国宝石学会(GIA)」もダイヤモンドの原産地の重要性を説いています。
ダイヤモンドの原産地を知ることは、ダイヤモンドが責任を持って採掘されたことを理解することの第一歩です。原産地について分かっているダイヤモンドを購入すると、その購入がその国の地域社会の発展に与える影響をより一層理解することができます。かつては困難な状況に陥っていた場所で人々が繁栄するのを支援するだけでなく、インフラの整備、若者の教育、医療制度を国民にもたらすのにも貢献しています。
ダイヤモンド原石の原産地についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:ダイヤモンドの生産国ランキング|採掘量や採掘方法について
ではダイヤモンド原石の採掘方法から見ていきましょう。
原石の採掘方法3つ
天然のダイヤモンドはおよそ30億年もの遥か昔、地球深部の超高熱と超高圧の中で作られました。地中で生まれたダイヤモンドの原石が数億年前の火山活動によって地表に現れたものが、今私たちが目にしているダイヤモンドです。
ではダイヤモンドの原石はどのようにして採掘されるのでしょうか。主に3つの採掘方法があります。
パンニング
パンニングは砂金を採る方法としてもお馴染みで、川でザル状の皿を手に、砂を洗い流しながら原石を探すやり方です。
パンニングの名称は用いられる皿から来ています。パンニング皿は市販もされており、わたしたちでも可能なダイヤモンドの採掘方法です。古くから行われてきた採掘法でもあります。
とはいえ、現代となってはあまりに非効率で、かつ大きなダイヤモンド原石の採掘が困難なため、今ではほとんど行われていません。
パイプ鉱床
パイプ鉱床は、パンニングに代わって主流になっていった採掘方法です。
地面に大きな穴を掘って原石を採掘する方法です。
冷えたマグマがダイヤモンド原石を含んだ岩石になったものを「キンバーライト」と呼びますが、このキンバーライトが円筒状になっているものを「ダイヤモンドパイプ」と呼び、ここから「パイプ鉱床」という呼び名が付きました。
大規模に採掘が行える半面、崩落などの危険性も高いことから、近年ではあまり行われなくなりました。
漂砂鉱床
近年、パイプ鉱床から徐々に切り替わっている方法が、「漂砂鉱床」です。別名「堆積鉱床」ともいわれます。
パイプ鉱床と同じく広範囲を採掘可能で、尚且つ危険性も低いこの漂砂鉱床はもっとも新しい採掘方法です。
火山で円筒状に残ったパイプ鉱床から、長い年月を経て風化や浸食によりキンバーライトが河川に流出し、堆積して川床や川岸に鉱床を形成します。海へ流れ出たキンバーライトは海岸に打ち寄せられ堆積し、鉱床を形成します。
これらキンバーライトの漂砂(堆積)に着目した採掘方法が漂砂鉱床です。
ダイヤモンド原石3種
ダイヤモンド原石の中でも高品質で宝石に用いられる3種類をご紹介します。
メイカブル
メイカブルはソーヤブルに次いで品質の高い原石です。
メイカブルを英語にすると「makable(make-able)=作ることができる」という意味で、「宝石用として使える」といったニュアンスになります。
原石の形が不規則で、ゴツゴツしていたり、中には曇りがかっているものもあるため、原石ごとに適切な加工の見極めが必要となります。そういった意味では、職人の腕が一番試されるのがこのメイカブルです。
ソーヤブル
ダイヤモンドの原石の中で最も希少性が高い、最高品質の原石がソーヤブルです。
形は多くが正八面体です。原石のうちでソーヤブルに区分されるのは全体のわずか20%で、主な産地がロシアやアフリカのナミビアです。
ソーヤブルを英語にすると「sawable(saw-able)=のこぎりなどで切ることができる」という意味で、その名の通りカット(研磨)次第では極めて美しいダイヤモンドになります。
ニアージェム
ニアージェムは英語にすると「near gem=宝石に近い」という意味ですが、品質は工業用ではないけれど、宝石用としては低品質な原石になります。
インクルージョン(内包物)があり、透明度が低いものが多いためレーザードリルホール(LDH)などの処理が必要な場合があります。
レーザードリリング ― これには、レーザ光の細い集束ビームで焼くことでダイヤモンドの表面から暗色インクルージョンに到達する管をつくることが含まれます。 通常この処理の後、管の中に強制的に化学物質を入れ、そのインクルージョンを溶解しあるいはその外観を改変します。
処理の有無は鑑定書に記載されますので、ダイヤモンドの評価は下がります。
ですが、処理によってダイヤモンドの美しさは改善していますので、リーズナブルなダイヤモンドジュエリーを探している方にはおすすめしたい原石がニアージェムです。
ダイヤモンド原石の形5種
前述の方法で採掘されたダイヤモンドの原石は、品質によって選別され、さらに形によっても5種に分類されます。原石の形の個性を最大限に活かしながら、できるだけ原石ロスの少ないそれぞれに相応しいカット(研磨)を行っていくのです。
では原石の形5種をご紹介します。
ストーン
ストーンは正八面体の形をしています。
結晶も規則正しく、熟練の職人によってカットされれば極めて美しいダイヤモンドになります。
主に「アイディールカット(理想的なカット)」として名高い「ラウンド・ブリリアント・カット」に用いられます。
シェープ
シェープは、ストーンに近い形ですがやや不規則で形状にばらつきがあります。
クリーベッジ
クリーベッジはシェープよりさらに形状が不規則です。
凹凸のあるいびつな形をしています。「クリーベッジ(Cleavage)」とは宝石については「へき開」という特定の方向に割れやすい性質を意味しますが、原石の形についてのクリーベッジは「割れた・不一致の」という原石の状態を表します。
マクレ
マクレは三角形で薄い形状です。
多くがハートシェイプカットや、三角形のトリリアントカットに用いられます。
クラット
クラットは薄い板状の形をしています。
多くが長方形のバゲットカットや台形のテーパーカットに用いられ、メインの宝石を引き立たせる脇役としてのダイヤモンドになります。
原石は地球からの預かり物
ダイヤモンドの原石は地球が悠久のときをかけて育んだ奇跡です。人類はそれを、時には命がけで採掘し、分類し、修練によって身に着けた技術で、美しく生まれ変わらせてきました。
職人たちは原石を決して無駄にすることはありません。カットする際はまず、1番目に原石の形に合わせて大きく取れるカットを行います。さらに残った原石で2番目、3番目と小さなルース(裸石)に仕上げていくのです。当然、カット時にでる削りカスもすべて回収し、再利用しています。
「ダイヤモンドは永遠の輝き」この言葉が表すように、美しく仕上げられたダイヤモンドジュエリーは、人から人へと代々受け継がれてゆきます。その意味ではダイヤモンドは地球からの贈り物であると同時に「預かり物」でもあります。
ダイヤモンドの語源「adamazein(誰にも征服できない)」を考えるならば、人も遠い未来、ダイヤモンドを地球に還す時が来るのかもしれません。
時にはそんな壮大なスケールに想いを馳せながら、ダイヤモンドを見つめてみるのはいかがでしょうか。
他の人はこんな豆知識も見ています
-
【2025年最新】銀座でロレックス買取ならココ!高価買取の秘訣とウォッチニアン買取専門店を選ぶべき理由
この記事では、 2025年の最新情報 に基づき、銀座でロレックスをより高く、安心して売却するための秘訣や、信頼できる買取専門店の選び方について詳しく解説します。 /* === 共通CSS (色設定調整) === */ body { font-family...
-
【2025年最新版】銀座で時計買取ならウォッチニアン買取専門店!選ばれる理由と2店舗徹底活用ガイド
2025年の最新情報 と共に、皆様が後悔しない時計買取を実現するための一助となれば幸いです。 /* === 共通CSS (色設定調整) === */ body { font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFo...
-
【2025年最新】銀座の時計買取Q&A!初心者も安心、よくある疑問とトラブル回避法をウォッチニアンが解説
この記事では、 2025年の最新情報 に基づき、時計買取に関するよくあるご質問や、初心者が陥りがちなトラブルを避けるためのポイントを、 ウォッチニアン買取専門店 銀座・銀座8丁目店 がQ&A形式で分かりやすく解説します。 /* === 共通CSS (色設定調整) ...
-
【2025年最新】銀座の時計買取相場と高く売るタイミングの見極め方!ウォッチニアンが教える査定UP術
この記事では、 2025年最新の銀座における時計買取市場の動向 を踏まえ、買取相場を左右する要因、ご自身で相場を調べる方法、そして ウォッチニアン買取専門店 銀座・銀座8丁目店 が実践する査定額アップの秘訣まで、詳しく解説していきます。 /* === 共通CSS (色設定...
-
【2025年最新】銀座でカルティエ時計を高く売る!タンク・パンテール等人気モデルとレディースウォッチ買取のコツ
この記事では、 2025年の最新情報 を基に、カルティエの人気モデルの査定ポイント、特にレディースウォッチを高価買取してもらうための秘訣を、 ウォッチニアン買取専門店 銀座・銀座8丁目店 が詳しく解説します。 /* === 共通CSS (色設定調整) === */ ...
-
【2025年最新】銀座でオメガ売却!スピードマスター・シーマスター等の人気モデル買取価格と高額査定の秘訣
この記事では、 2025年の最新情報 に基づき、オメガの代表モデルである「スピードマスター」や「シーマスター」をはじめとする人気モデルの買取価格情報や、高額査定を引き出すための具体的な秘訣を、 ウォッチニアン買取専門店 銀座・銀座8丁目店 が徹底解説いたします。 /* =...
-
【2025年最新】銀座で輝きを正当評価!金無垢・ダイヤ付き時計を高価買取する秘訣とは?
この記事では、その複雑な価値を銀座で正当に評価してもらい、高価買取を実現するための秘訣を、 ウォッチニアン買取専門店 銀座・銀座8丁目店 の専門的な視点から詳しく解説いたします。 /* === 共通CSS (色設定調整) === */ body { fo...
-
【2025年最新】銀座の時計買取、最適な方法は?店頭・宅配・LINE査定を徹底比較!ウォッチニアン活用術
この記事が、あなたの時計売却の疑問を解消する一助となれば幸いです。 /* === 共通CSS (色設定調整) === */ body { font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, "Segoe UI"...
-
【2025年最新】銀座で時計買取、付属品なし・傷ありでも諦めない!高額査定を引き出す秘訣
この記事では、状態に不安のある時計でも高額査定を引き出すための秘訣を、 ウォッチニアン買取専門店 銀座・銀座8丁目店 の視点から徹底解説します。 /* === 共通CSS (色設定調整) === */ body { font-family: -apple...
-
【2025年最新】銀座でロレックス買取を極める!人気モデル別査定ポイントと高額売却のコツ
この記事では、 2025年の最新情報 を基に、デイトナやサブマリーナといった人気モデル別の詳細な査定ポイントから、銀座で1円でも高くロレックスを売却するための具体的なコツまで、専門店の視点から徹底解説します。 /* === 共通CSS (色設定調整) === */ ...