手巻き時計が止まる理由とは?止まった手巻き式の時計の買取は可能なのか?

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時計

いつも手元で時間を刻み続ける腕時計。私達の生活になくてはならないものの一つですね。毎日身に着けるものだけに、特に男性にとっては、こだわりを持つ方も多いのではないでしょうか。

現在、メンズ腕時計の主流になっているのは、巻き上げられたゼンマイが解ける力を利用して針を動かす「機械式」で、「自動巻き式」と「手巻き式」の2種類に分かれます。しかし、機械式の時計は使っていくうちに、「秒針が止まっている」「時計が動かない」などのトラブルに見舞われることがよくあります。

本記事では、手巻き式時計によく起こるトラブルや、その原因と対策についてご紹介します。

手巻き時計の動く仕組みを知っておこう

機械式時計はゼンマイによって動力源を得ています。ゼンマイの動きから生まれるエネルギーを利用し、振り子のような働きで、一定の周期を保って動き続けることができます。

手巻き式時計は、懐中時計の流れを組む長い歴史を持つ時計で、ケースの外側についた「リューズ(竜頭)」という部品を直接手で回すことで、ゼンマイを巻き上げるメカニズムです。

それに対して、自動巻き式時計は人の手を介することなく、ローター(自動的にゼンマイを巻き上げる重りとなる部品)が回転することでゼンマイを巻き上げるメカニズムになっています。

手巻き時計が止まる原因

手巻き式時計が止まったり、時間が遅れたりするのには必ず原因があるはずです。また、原因は1つだけではなく、いくつも考えられる場合があります。

ここでは、よく起こりがちな原因を4つ解説していきます。

ゼンマイの巻きあげが不十分

手巻き式時計のメリットでありデメリットでもあるのが、定期的にゼンマイを手で巻かないといけないことです。ゼンマイの巻き上げが解けるにつれて駆動力が落ちてくると、時間が正確でなくなるため、定期的にゼンマイを巻くことが必要になります。ただ、巻き忘れたとしても、これは時間の正確性への配慮であり機械に影響はありません。

定期的に巻くという行為は、時計と向き合うことにより、固着を避け、コンディションをチェックすることに繋がるのです。

潤滑油不足により動作しない

元々、時計の内部(ムーブメント)は、各部品が滑らかに動くよう潤滑油が塗布されています。しかし、経年劣化によって、潤滑油が汚れたり干上がってくると、機械内部の潤滑油が劣化し精度を司る歯車などがスムーズに動かなくなっていきます。

これは、オーバーホール(時計を分解して掃除すること)を定期的に行えば、防ぐことができます。もし時計が動作しなくなってしまったら、時計を分解してパーツの確認後、新たに潤滑油をさすといった対処を修理店で行うことによって元に戻ります。

ゼンマイが切れてしまった

ゼンマイが切れると、時計は正常に動かなくなってしまいます。

ゼンマイが切れると、自転車のチェーンが切れたように、巻いても空回りの状態になり、巻き上げた手応えがなくなります。

ゼンマイ切れで一番多い原因は、潤滑油が切れている状態であったことによるものです。また、巻き上げ過ぎたり、リューズを力任せに回すことによる金属疲労によって切れてしまうこともあります。

潤滑油はおよそ5年ほどで切れてしまうので、潤滑油が切れそうな時期になったら、必要に応じて補うようにしましょう。元の状態に戻すには、オーバーホールと併せてゼンマイの交換も必要となります。

ただ、ゼンマイの巻き始めは反発力が弱く巻き上げやすいため、一部が切れていても、ある程度の負荷がかかるまでは巻き上げができる場合があります。

水やゴミが入り込み錆や部品が劣化

手巻き式時計は、防水性を維持するためにパッキンを裏蓋に使用しています。パッキンは弾力性に優れた性質を持っていますが、正しい使い方をしていても、経年により劣化していきます。

劣化している状態で使っていると、気密性が損なわれ、時計内部に水分やゴミが入り、腐食や錆び、変色の原因となってしまいます。これにより、部品の損傷や劣化を引き起こす可能性があります。

パッキンも潤滑油と同じように、オーバーホールを定期的に行い、劣化を防ぐようにしましょう。

故障を疑う前にゼンマイの巻き上げをしっかり行おう

手巻き式時計は、構造がシンプルな分、ちょっとした事が原因で調子が悪くなってしまう可能性があります。そして、大抵の故障の原因は「巻き上げ不足」にあるといわれています。

手巻き式時計を使う際は、少なくとも2日に1回はゼンマイを巻き上げる習慣をつけておきましょう。頻繁に巻き上げておくことで、さまざまなトラブルを防ぐことができたり、時計の異変に気が付きやすくなります。

定期的なメンテナンスを行い、大事な時計を長く愛用していきましょう。

手巻き時計のメリットとは

最近は自動巻き式時計が主流になっていますが、伝統的な時計のギミック(仕掛け)が用いられている手巻き式時計の人気は衰えることなく、多くの方に愛されています。そんな手巻き式のメリットとはどのようなものでしょうか。

部品が少ないため軽くて着用しやすい

手巻き式は自動巻き式のようにローターが組み込まれていないので、パーツが少なく、軽くて厚みが少ない特徴があります。

薄型は見栄えだけではなく、装着した時の感覚や、常に身に着けることへの負担を少なくすることができます。ドレスウォッチなど、袖口に引っかかりにくいスマートな時計が好きな方は、手巻き式のほうがよいかもしれません。

自動巻きに比べてメンテナンスコストを抑えられる

手巻き式はパーツが少ないのでパーツ同士の摩耗が少なく、故障やオーバーホールなど、機械式に欠かすことのできないメンテナンスのコストを低く抑えられます。

重りとなるローターが組み込まれていないため衝撃に強く、ローターが外れるといった自動巻き式によく起こるトラブルはまったくありません。

オーバーホール代を安く抑えたいという方は、手巻き式を検討するのもよいでしょう。

手巻きという手間がある意味醍醐味

手巻き式の一番のメリットとして、毎日手で巻き上げることへの醍醐味を上げる方も多いでしょう。自動巻き式時計との大きな違いは巻き上げ方法です。毎日リューズを手で巻き上げながら、時計に命を吹き込み、使うほどに愛着が湧いてきます。

また、毎日時計と向き合うことで、コンディションのチェックにもなります。あえて手間暇がかかることこそ、根強いファンが多い理由なのかもしれませんね。

シースルーバックにより機械面を見れる

手巻き式時計はローターが組み込まれていないため、内部構造がよく見えるシースルーバック仕様になっており、その美しさを堪能出来ます。職人の技術による丁寧な仕上げと、組み込まれた小さな部品の繊細な動きが楽しめます。

止まってしまった手巻き式時計は買取できるのか?

止まったしまった手巻き式の時計はそのままでも買取することは可能です。

しかし正常な時計に比べると査定額は下がります。どれくらいの金額下がるのかについてはモデルによって大きく異なり変わらないモデルで数千円、変わる物であれば10万円以上査定額に影響します。

メーカーにオーバーホールを出して買取に出すよりもそのままの状態で売ったほうが手元に残る金額は高くなる場合もありますので止まってしまった手巻き式の時計を売却で検討されている方は一度お気軽にお問合せください。

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