ガーネットの色や特徴|全13種類|赤色系?緑色系?虹色?

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ダイヤモンド

ガーネットというと赤い宝石としてよく知られていますが、実際には「鉱物のグループ名」を表す名称なんです。

そのため、紫やオレンジだけでなく緑や黄緑まで様々な色が存在します。

今回は成分や色の系統で分類した9種類とその変種の計13種類のガーネットについて詳しく解説していきます。

ガーネットの種類と色

ガーネットは赤色系と緑色系によって大きく2種に分類されます。

【赤色系】

・パイロープ Pyrope=Pyr

・アルマディン Almandine=Al

・スペサルティン Spessartine=Sp

Pyr Al Sp (ite) = 「パイラルスパイト」グループ

【緑色系】

・ウバロバイト Uvarovite=U

・グロッシュラー Grossular=Gr

・アンドラダイト Andradite=And

U Gr And (ite) = 「ウグランダイト」グループ

これだけでも6種類もの色があるわけですが、さらに2種類以上のガーネットが混ざり合った「固溶体」の存在が、グループの多様性をさらに広げています。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

赤色系【パイラルスパイト】

まずはガーネットの代表格である赤色系グループからです。

パイロープ・ガーネット

一般的に「ガーネット」として知られているのがこの「パイロープ・ガーネット」。

深い赤色が特徴で、パイロープという名前の由来はギリシャ語で火を表す「Pyropos(ピロポス)」からきています。

パイロープ・ガーネットは小粒の原石がほとんどで2ct未満のものが大部分を占めます。そのため小粒の石を房のように集めてリングやブローチに加工されていました。

16世紀から19世紀末までチェコのボヘミアン地方が主産地だったため「ボヘミアン・ガーネット」とも呼ばれています。

アルマディン・ガーネット

パイロープ・ガーネットと並んでガーネットグループを代表するのがこの「アルマディン・ガーネット」です。

アルマディンという名前の由来は古来からこの宝石を加工してきたトルコの都市「アラバンダ

色味はパイロープ・ガーネットよりもピンクがかった赤が特徴です。

スペサルティン・ガーネット

みかんのような鮮やかな発色からマンダリンガーネットとも呼ばれるのが「スペサルティン・ガーネット」。

名前の由来は産地であったドイツの「Spessart(スペッサルト)」からきています。

純粋なものは淡い黄色ですが、他の元素が混じることによりオレンジ色から濃い赤色になります。

ロードライト・ガーネット【固溶体】

パイロープ・ガーネットとアルマディン・ガーネットが混ざり合ってできるのが紫がかった色が特徴的な「ロードライト・ガーネット」です。

ロードライトの名称はギリシャ語でバラを意味する「Rhodo(ロード)」と石を意味する「Lithos(ライト)」から付けられました。

マラヤ・ガーネット【固溶体】

パイロープ・ガーネットとスペサルティン・ガーネットの固溶体が「マラヤ・ガーネット」。

発見されたのが1960年代と新しいことから、スワヒリ語で「仲間ではない」という意味の「マラヤ」と名付けられました。

ベキリーブルー・ガーネット

マラヤ・ガーネットの変種で、カラーチェンジ効果を持つのが「ベキリーブルー・ガーネット」です。

複数の成分が混ざり合っていることで、光源の種類によって緑色~赤色に変化する非常に珍しい宝石です。

元々はごく一部だけが知った宝石でしたが、1980年代にカラーチェンジ効果が顕著な原石が発見されると一躍評価が高まり、現在ではカラーチェンジストーンとして有名なアレキサンドライトを凌ぐほどの人気となっています。

マダガスカルのベキリー地区で産出されることからその名が付けられました。

緑色系【ウグランダイト】

カルシウムを多く含み緑色の発色するのがウグランダイトです。

ウバロバイト・ガーネット

1832年にドイツ人のヘンリー・ヘッスによって発見されたのが「ウバロバイト・ガーネット」。

名前の由来はロシアの鉱物コレクター「セルゲイ・セメノヴィッチウヴァロフ」からきています。

産出される結晶のほとんどが小粒なため、稀に発見される大きな結晶は希少性も高く、追い求めるコレクターも多いです。

グロッシュラー・ガーネット

グロッシュラー・ガーネットは成分によって緑色のほか、オレンジ色や黄色など幅広い色を持つのが特徴。

グロッシュラーという名前の由来は、見た目が似ている西洋スグリ(グースベリー)の学名である「Grossularia(グロシュラー)」からきています。

ヘソナイト・ガーネット

グロシュラー・ガーネットの亜種が「ヘソナイト・ガーネット」。

赤褐色からオレンジ色の色合いが特徴です。

名前のヘソナイトとは小さいを意味するギリシャ語の「hesson(ヘッソ)」。赤色が濃いものほど高値で取引され、「シナモン・ストーン」とも呼ばれています。

アンドラダイト・ガーネット

アンドラダイト・ガーネットは、分散光がダイヤモンドよりも強いという特徴を持ちます。

また黄色のものはトパーズに似ていることから「トパゾライト」、黒色は「メラナイト」とも呼ばれ、色の種類も豊富。

名前の由来は発見者の鉱物学者である「ホセ・ボニファシオ・デ・アンドラーデ・エ・シルバ」から名付けられました。

デマントイド・ガーネット

アンドラダイト・ガーネットの変種が「デマントイド・ガーネット」です。

強い分散光と濃いグリーンが特徴で、1860年代にロシアのウラル山脈で発見されました。

デマントイドとは「ダイヤモンドのような」という意味のオランダ語。

デマントイド・ガーネットは「ホーステイル(馬のしっぽ)」と呼ばれる細かい毛状のインクルージョンを持ち、幻の宝石とも呼ばれています。

マリ・ガーネット【固溶体】

グロッシュラー・ガーネットとアンドラダイト・ガーネットの個溶体が「マリ・ガーネット」。

1994年にマリ共和国で発見され、産地の名前をとって「マリ」と名付けられました。

緑色に近いレモン色の美しい発色が特徴で、多彩な色彩で楽しませてくれる宝石でもあります。

虹色のガーネットも!

2004年に日本の奈良県天川村で発見され、大きな話題となったのが「レインボー・ガーネット」です。

その名のとおり虹色に輝く遊色効果を持つ極めて珍しいガーネットです。

成分はグロッシュラーとアンドラダイトが混じり合ったもので、互いの層が交互に重なることによって光の干渉が起こり、七色の発色が生まれます。

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ガーネットの多様な色と種類をご紹介しました。

種類の多さもそうですが、固溶体の存在もグループの個性を豊かにするものとなっています。

同じ名称でもさまざまな色があるという宝石の中でも他に類をみない鉱物がガーネットなのではないでしょうか。

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