K10(10金)とは?18金との違いや錆び・変色への耐性について

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金・プラチナ

K10(10金)というと、「安っぽい」とか「学生向け」といったネガティブな印象を抱かれる方もいるかも知れません。

ゴールドジュエリーとして一般的なK18(18金)と比べてK10は確かに金の含有量では劣っていますが、それだけでK10を敬遠するのはもったいないです。

今回は知られざるK10の特徴、K18との違い・錆びなどへの耐性や弊社の買取事情、おすすめのブランドなどを紹介します。

K10とK18はどう違うの?

Kとはカラット(Karat)の略で、金の純度(含有率)を24進法で表したものです。

100%の純金はK24となり、K18なら75%、K10では42%の割合で金が含まれていることになります。資産用のインゴット(延べ棒)などでは、K18の代わりに「Au750」など千分率で表記することもありますが、ジュエリーなどアクセサリー商品ではK(カラット)を用いるのが一般的です。

ゴールドアクセサリーにおいて、純金(K24)の商品にお目にかかることは滅多にありません。これは、金属としての金にはとても柔らかいという性質があり、傷が付いたり変形したりしやすくジュエリーには不向きなためです。他の金属を「割金(わりきん)」として混ぜることで、アクセサリー加工に十分な強度を持たせているのです。

ちなみに、金の他にダイヤモンドなどの宝石類にもカラットが用いられます。ですが、こちらは「Carat(ct)」とスペルが異なる別の単位です。語源は同じですが、Kが金の割合を示すのに対し、宝石のカラット(ct)は宝石の重さ(大きさ)を表しています(1ct=0.2g)。

K10とK18|金の含有量と価値の違い

金は希少な貴金属なので、同じ重さのゴールドアクセサリーなら、その含有量が多いK18の方がK10より価値も値段も高くなります。逆に、K10のジュエリーはK18よりもリーズナブルと言い換えることもできるでしょう。

例えばゴールドアクセサリーを買取に出す場合、基本的に売値は金の含有量にその日の金の取引価格を掛け合わせたものとなります。重さ5gのゴールドジュエリーを査定するとして、K18であれば「5×0.75×その日の金価格」、K10なら「5×0.42×その日の金価格」がその日の買取価格となるのです。つまり、単純計算で18÷10=1.8(倍)の価格差があることになります。

2022年5月時点の一般向け買取価格がこちらです。

品位

K10(10金)

K18(18金)

K24(24金)

金の純度

≒42%(41.66%)

≒75%(74.99%)

≒100%(99.99%)

価格

3,380円/g

6,430円/g

8,410円/g

金の価格は、市場取引や為替相場によって変動するため、一定していません。近年は安定資産として高値で推移する傾向にあります。価値を求めるならK18、リーズナブルにゴールドアクセサリーを楽しむなら、K10がおすすめです。

10金(K10)は錆びやすい?耐性やアレルギーについて

金属アレルギーは、金属イオンが人間の汗や皮脂などに溶け出し、たんぱく質と化学反応を起こすことが原因となります。化学的に安定している金は、そもそも溶け出すことも、化学反応を起こすこともありません。

アレルゲンとなり得るのは金以外の割金です。

そのため、割金の配合が多いK10アクセサリーの方が、金属アレルギーの可能性は高まります。

主なカラーゴールドのK10アクセサリーの配合が下記の通りです。

種類

一般的な割金の配合

K10ホワイトゴールド

金42%+銀・パラジウム58%

K10ピンクゴールド

金42%+13.3%+40.1%+パラジウム4.6%

K10イエローゴールド

金42%+34.8%+23.2%

肌が弱いなど金属アレルギーの心配のある人は、K18アクセサリーの方が安心でしょう。

特にネックレスは、肌に直接触れる面積が大きいことから、金属アレルギーが最も懸念されるアクセサリーです。自分に金属アレルギーがあるかどうかは、事前にパッチテストで知ることができます。病院の皮膚科などで受けられるので、気になる方は相談してみるとよいでしょう。

パッチテストについては、次項で詳しくご説明します。

ちなみにホワイトゴールドは、前述のとおりロジウムでコーティングされることの多いカラーゴールドです。その場合、ベース素材の割金に肌が触れることはありませんが、コーティングの下地にアレルギーを引き起こしやすいニッケルが使われていることもありますので注意が必要です。

K10はK18よりもアレルギーの心配がある反面、K18よりも硬いという利点があります。普段使いをするなら、K10の方が傷や変形を生じる可能性が少ないといえます。また、線の細いリングやネックレス、繊細な装飾が施されたアクセサリーなどの場合も、硬度が高い方が安心です。

耐性やアレルギーの純度ごとの違いを下記にまとめました。

品位

K10(10金)

K18(18金)

K24(24金)

硬さ(Hv)

200Hv程度

150Hv程度

25Hv程度

変色しにくさ

注意が必要

変色する場合がある

変色しない

アレルギー

注意が必要

出る場合がある

出ない

金属アレルギーのパッチテスト

自分に金属アレルギーがあるかどうかは、事前にパッチテスト(接触テスト)で知ることができます。

費用も保険適用が可能で、3割負担で1,000円ほどで受けられます。

方法は、アレルゲン候補の金属の溶け込んだ検査薬を、パッチに染み込ませて背中に貼り、経過観察をするというやり方です。

アレルギーがあれば、アレルゲンとなる金属に触れた部分の皮膚に反応が出るという仕組みです。

検査結果が得られるまでにだいたい2日~最長で1週間ほどかかり、その間はお風呂には浸かれませんが、シャワーであれば入浴も可能です。

アレルゲンは人によって異なるため、自身がどの金属に弱いのかを知ることは、アクセサリー選びにおいて大変重要な情報となります。

パッチテストは病院の皮膚科などで気軽に受けられるので、気になる方は相談してみるとよいでしょう。

K10とK18|色合いの違い

金の合金は、割金(混ぜ合わせる方の金属)の種類や割合により色が変化します。黄金色に特定の割金の色味をプラスしたものは、カラーゴールドとして流通しています。

K18よりK10の方が金の割合が少なく、割金の色がいくらか強く出ますが、どちらも見た目の高級感にはあまり違いがありません。

両者を並べて見比べてみると、K10の方が落ち着いた印象を与える傾向があります。カラーゴールドの色合いについては好みや肌色との相性もあるため、一概にどちらが優れているということはできません。

K10/K18ホワイトゴールドの色

割金としてパラジウムや銀など白色系の金属を用いたものを、ホワイトゴールドといいます。ただし、ゴールド本来の色が残るため、ホワイトといってもやや黄色味を帯びた銀色といった感じです。当然ながら、金の割合の高いK18の方が、K10よりも黄色が強くなります。

ジュエリー素材としては、プラチナのような銀白色により近づけるため、同じ白色系のロジウムで表面をメッキ加工するのが一般的です。ナチュラルホワイトゴールドの上にかぶせてコーティングするため、K18でもK10でも同じ色合いに仕上がります。

K10/K18ピンクゴールドの色

銅を主な割金として用いたものは、ピンクゴールドと呼ばれます。銅由来の赤味がより強いK10の方が、はっきり鮮やかなピンクに近づきます。反対にK18は温かみのある色合いとなり、どちらも日本人女性の肌に合いやすいのが特徴です。

メーカーによっては「ローズゴールド」と呼んでいることもありますが、基本的にピンクゴールドと同じものです。銅のほかに銀やパラジウムも配合され、その割合によって紫がかったピンクや赤味の濃いピンクなどさまざまな色合いが生み出されます。割金の多いK10の方が、色のバリエーションの自由度も高いといえます。

K10/K18イエローゴールドの色

純金の色にもっとも近いまま、ジュエリー素材としての強度をもたせたものがイエローゴールドです。当然ながら、金の割合の高いK18の方が本来のゴールドの輝きに近く、K10はやや優しく淡い黄色となります。

イエローゴールドは日本人の肌と色の相性がよいとされ、K10でもK18でも問題なく合わせられるでしょう。強いていうなら、日焼けをしやすい方ははっきり鮮やかなK18の方が、活動的な印象を際立たせてくれます。

K10?K18?どちらを選べば良いか迷ったら

ここまでK18とK10の違いについて説明しましたが、双方にメリット・デメリットのあることがおわかりいただけたと思います。それぞれのアクセサリーがおすすめな方を下記にまとめました。

こんな人はK10がおすすめ

・ゴールドジュエリーの高級感を手軽に味わいたい方
・アクティブな場面でも気にせず普段使いしたい方
・極細のリングや細かい装飾のジュエリーが好きな方
・落ち着いた色合いが好きな方

こんな人はK18がおすすめ

・ゴールドにこだわりのある方
・金属アレルギーがある、あるいは肌の弱い方
・少しでも高貴な輝きが欲しい方
・とっておきの一品が欲しい方

K10アクセサリーは買取してもらえる?

使わなくなったK10のアクセサリーを売却する時に、「値段が付くか心配・・・」という方もいるかも知れません。

ご安心ください。K10アクセサリーの買取は大歓迎です。

K10は純度こそ42%と低いですが、最近は金価格が高騰しておりますので、以前よりも高値で買取させていただきます。

さらにブランドジュエリーであれば、ブランド価値もあわせて査定いたしますので高価買取が期待できます。

ブランド価値での査定ができない品物については、ジュエリーではなく地金としての査定になりますので、K10アクセサリーを選ぶ際は、ブランド選びも考えて決めるのが良いかと思います。

この先、金価格が暴落することは考えにくく、おそらくこのまま高値を維持し続けると思われます。そのため、お気に入りのK10アクセサリーをいくつか選んでコーディネートを楽しんだ後、使わなくなったらまとめて売るという方法もおすすめです。

売りに出す際は、アクセサリーをできるだけ綺麗な状態にしておくことも重要なポイントです。

K10アクセサリーはK18よりも変色しやすいため、日ごろのお手入れを小まめに行うことが大切です。

K10の買取年齢層

弊社でも多くのk10アクセサリーを買取させていただいております。

2020年1月~12月の買取実績データを元に年齢層別に集計したグラフがこちらです。

最も多いのが30代のお客様で、次が50代以上のお客様です。件数としては20代・40代のお客さまも少なくありません。

このことから、K10アクセサリーは、20代~50代以上の幅広い世代に人気の高いことがわかります。リーズナブルで使い勝手の良いことから気軽に扱えるアクセサリーとしてK10アクセサリーが重宝されていると思われます。

K10アクセサリーのおすすめブランド

ここからは、K10のおすすめアクセサリーブランドを紹介します。有名ブランドでは、金の純度の高いK18に目が行きがちになります。ですが、K10の特性を活かした良質のジュエリーを提供しているブランドも少なくありません。

ちなみに、K10はカラーゴールドとして用いられることの多いジュエリー素材です。ショップでの表示やアクセサリーの刻印では、それぞれのカラーに応じて「K10YG(イエローゴールド)」「K10PG(ピンクゴールド)」「K10WG(ホワイトゴールド)」などと表記されることもあります。

4℃(ヨンドシー)

素材:K10ピンクゴールド

4℃は日本を代表するジュエリーブランドの1つで、女性らしいしなやかな曲線美に定評があります。中でも水滴型の「しずくモチーフ」は、日本人の清楚なイメージを引き立たせる、4℃ならではのデザインとして知られています。

各種カラーゴールドの立体的で優美なフォルムは、印象的なだけでなく宝石類との相性も抜群。原型師と呼ばれる職人の匠の技によって、1つ1つ丁寧に極細の装飾が施されます。確かな技術と素材の品質に裏付けられる4℃ですが、比較的お値段が手頃というのも人気の理由です。

一例を挙げれば、こちらのK10ピンクゴールドネックレスは、優しい色合いのピンクゴールドににダイヤが1粒キラリと映えます。ネックレスの意匠として定番のハートも、4℃らしい滑らかな曲線によって軽やかな趣がプラスされています。

温かみのあるピンクゴールドは着ける人を選ばず、年代も問いません。価格も高すぎるということはなく、自分用以外にプレゼントとしてもおすすめです。

ヴァンドーム青山

素材:K10ホワイトゴールド

40年以上の歴史をもつ日本のジュエリーブランド「ヴァンドーム青山」は、「知的・エレガンス・ベーシック」をモットーとしたスタイリッシュなジュエリーが魅力です。

日常的に身に着けられる基本のコレクションから、とっておきのシーンを華やかに彩るシーズンコレクションまで、ラインナップも幅広く取り揃えています。

こちらも価格帯は比較的手頃で、K10のカラーゴールドは初めてという方におすすめです。シンプルなデザインのものから宝石を贅沢に散りばめた煌びやかなアクセサリーまで、好みに合わせて選ぶことができます。とくに、スマートでカジュアルな大人の女性の雰囲気をまといたい方にぴったりです。

例えば「ベーシック ホワイトトパーズ ネックレス」は、ホワイトゴールドにホワイトトパーズの組み合わせがどこまでも清楚でクリアな印象。渦を描くようなホワイトゴールドのサークルが宝石をしっかりと抱きとめ、女性のシルエットを凛と引き締めます。

ete(エテ)

素材:K10イエローゴールド

「ete」は、ベーシックから個性的なデザインまで取り揃え幅広い年代に支持されているジュエリーブランド。

こちらもリーズナブルな価格帯で、普段使いのアクセサリーに遊び心を加えてみたいという方にイチオシです。カラーゴールドのブレスレットやピアスなら、1万円を切る値段で用意があります。

K10アクセサリーのお手入れ方法

金の割合がK18よりも低いK10は、傷が付きにくい反面、変色を生じやすいという弱点があります。そのため、日頃のお手入れがとても大切になります。

もっとも手軽で習慣づけていただきたいお手入れが「柔らかい布で拭くこと」です。

身に着けた後には汗や皮脂など化学変化の原因となる物質が付着しているので、しっかりと汚れを取ってから仕舞いましょう。ガーゼなどできるだけ柔らかい布で拭き取ってください。

普段使いをしているアクセサリーであれば、定期的にぬるま湯で軽くすすぐのもおすすめです。もちろん、洗ったあとは柔らかい布でふいて、水分をしっかり取り除いてください。ただし、宝石類が付いている場合は、ストーンを濡らさないように注意しましょう。

汚れが少し目立ってきたというときには、中性洗剤を用いたお手入れもあります。

ぬるま湯に家庭用の中性洗剤を少し溶かしたものを用意します。これにジュエリーを3~5分ほど浸けて、汚れを浮かせます。あとは、真水のぬるま湯ですすぎ、水気を拭き取って自然乾燥させればOKです。

装飾の細かい部分など、汚れを浮かせたり拭ったりしにくい箇所は、綿棒や筆で軽くこすってあげましょう。自然に乾くまで待てないときは、遠くからドライヤーの風を当てる方法でも大丈夫です。

アクセサリーの変色や対処法、お手入れ方法についてはこちらの記事でより詳しくご紹介しています。

関連記事:金やプラチナが錆びた!?変色の原因と自宅でできるお手入れ方法

まとめ

金の純度だけに着目するとK10はK18よりも劣っていると見られがちですが、決してそんなことはありません。

アレルギーや変色に対する注意など気を付けるポイントはいくつかありますが、それさえクリアすれば、ゴールドのアクセサリーをリーズナブルな価格で楽しむことができます。

K10は細かい装飾が可能なため、華やかなデザインの商品も多くあります。

普段のファッションにゴールドを取り入れて気軽に身に着けたい方に、もってこいではないでしょうか。

皆さんもぜひK10アクセサリーを楽しみながら探してみてください。

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