赤い色の宝石20種類まとめ|宝石買取店が解説
見た人に強烈な印象を残す「赤」。
宝石でもそれは例外ではなく、身につければ素肌の上で確固たる存在感を放ちます。赤い宝石といえば、深紅のルビーを思い浮かべる人も多いと思いますが、ルビー以外にも魅力的な宝石が勢揃いしています。
今回は赤い宝石の中から20種類を厳選し、宝石買取店が詳しく解説します。
- 赤い色のイメージや与える印象
- 赤い色の宝石.1「ルビー」
- 赤い色の宝石.2「アルマディン・ガーネット」
- 赤い色の宝石.3「パイロープ・ガーネット」
- 赤い色の宝石.4「ヘソナイト・ガーネット」
- 赤い色の宝石.5「マラヤ・ガーネット」
- 赤い色の宝石.6「ベキリーブルー・ガーネット」
- 赤い色の宝石.7「レッド・コーラル(赤珊瑚)」
- 赤い色の宝石.8「レッド・スピネル」
- 赤い色の宝石.9「レッド・トルマリン(ルべライト)」
- 赤い色の宝石.10「レッド・ベリル」
- 赤い色の宝石.11「アンデシン」
- 赤い色の宝石.12「ストロベリー・クオーツ」
- 赤い色の宝石.13「サードオニキス」
- 赤い色の宝石.14「カーネリアン」
- 赤い色の宝石.15「アレキサンドライト」
- 赤い色の宝石.16「レッドアベンチュリン」
- 赤い色の宝石.17「ロードクロサイト」
- 赤い色の宝石.18「ジャスパー」
- 赤い色の宝石.19「バナジナイト」
- 赤い色の宝石.20「インペリアルトパーズ」
- まとめ|赤色の宝石の価値を知るなら宝石買取店へ
赤い色のイメージや与える印象
燃える炎や太陽の色である「赤」は、湧き出てくるエネルギーを感じさせる色です。
情熱や興奮を表す色でもあり、とにかく目立つのも特徴。
戦隊ヒーローものでは、だいたい赤がメンバーを引っ張っていくリーダーであり、誰からも愛される主人公と相場が決まっています。
赤い色の宝石.1「ルビー」
赤色の宝石の代表格といえば、「燃えるような赤」とも表現されるルビーです。
理想的な赤色を称えた深紅のルビーは「ピジョン・ブラッド」(ハトの血)と呼ばれ、希少性ゆえに価値が高いことで知られています。日本では、鑑別書に「ピジョン・ブラッド」と記載できるのはミャンマー産のルビーに限られています。しかし海外では産地を問わず「ピジョン・ブラッド」と表記しているため、鑑別書の産地は必ず確認しておきましょう。
ルビーはそもそも産出量が極端に少ない宝石で、年間産出量はダイヤモンドの30分の1以下。そのうえミャンマーは政情が不安定で、ルビーの供給にも悪影響を及ぼしています。そのため最高級のルビーは驚くほどの高値で取引されており、手に入れるのは簡単ではありません。
ちなみにルビーとサファイアは同じコランダムという鉱石で、赤色の石をルビー、それ以外の色の石をサファイアと呼びます。ピンク色に近いルビーはピンクサファイアと鑑別されることもあり、その境界線は国や宝飾業者によって異なります。
赤い色の宝石.2「アルマディン・ガーネット」
ガーネットとは単一の鉱物を指す言葉ではなく、鉱物グループの名前です。
ガーネットグループには多くの鉱石が含まれ、化学成分の違いから細かく分けられています。ガーネットの代表格であり、「ガーネット」イコール「赤い宝石」というイメージを広めたのがアルマディン・ガーネット(アルマンダイト・ガーネットともいう)です。
色味は年代を経た赤ワインにも似た深い赤で、鉄とアルミニウムを主成分としています。産出量や流通量が多く、状態のよいものでもかなりリーズナブルで手に入れやすいのも魅力です。ただし色の濃さゆえに透明感が低いものは宝石としてはあまり好まれません。
ガーネットの由来はラテン語で「種」を意味する言葉で、ザクロの真っ赤な種に色が似ていることから付けられました。ちなみにガーネットの和名は「石榴石」(ざくろいし)で、アルマディン・ガーネットは「鉄礬柘榴石」(てつばんざくろいし)といいます。「鉄」はそのまま鉄、「礬」とはアルミニウムのこと。鉱石に含まれる成分が和名に付けられているというわけです。
赤い色の宝石.3「パイロープ・ガーネット」
一般的にガーネットといえば、アルマディン・ガーネットもしくはパイロープ・ガーネットのことを指します。色味はこちらも深い赤で、見た目だけでアルマディン・ガーネットと区別するのはかなり困難です。しかし主成分はマグネシウムとアルミニウムで、化学式を見ればひと目で違う宝石だということがわかります。
パイロープ・ガーネットはチェコで発見されたガーネットで、かのハプスブルク帝国の繁栄にも寄与しました。パイプロープという名前は、ギリシャ語で「炎のような目」という意味の「pyropos」が由来となっています。
和名は「苦礬柘榴石」(くばんざくろいし)で、「苦」とは「苦土」ともいわれるマグネシウムのこと。こちらもアルマディン・ガーネットと同じく、鉱石に含まれる成分が和名に付けられています。
赤い色の宝石.4「ヘソナイト・ガーネット」
ヘソナイト・ガーネットはグロッシュラー・ガーネットの一種で、黄色っぽいものやオレンジ色、赤褐色といった色合いをしています。
主成分はカルシウムとアルミニウムで、名前はギリシャ語で「小さい」を意味する「hesson」に由来します。他のガーネットと比較すると硬度が低めではあるものの、宝飾品として使う分にはまったく問題ありません。
ヘソナイト・ガーネットには独特のインクルージョン(内包物)があり、じっくり観察すると内部にとろりとしたシロップやハチミツを混ぜたようなものが見えるのが特徴です。ただし透明度が高い石のため、肉眼で確認するのは難しいかもしれません。色合いは赤に近いものほど価値が高いとされ、赤みが強いものは古くは「シナモン・ストーン」とも呼ばれていました。
赤い色の宝石.5「マラヤ・ガーネット」
深い赤色のパイロープ・ガーネットとオレンジ色のスペサルティン・ガーネットが混ざり合うことで生まれたのがマラヤ・ガーネットで、「マライア・ガーネット」と呼ばれることもあります。発見されたのは1960年代と、比較的新しい宝石です。
新しい宝石であることから、スワヒリ語で「仲間ではない」「見捨てられた」という意味の「マラヤ」という呼称が付けられました。しかしこれは俗語で売春婦という意味を持つ言葉でもあるため、タンザニアのウンバ渓谷でも見つかったことから「ウンバライト」とも呼ばれています。
複数の成分が混ざり合っているマラヤ・ガーネットは、ほのかにオレンジやピンクを感じさせる魅力的な赤色をしています。また、光源の種類によってほのかに色味が変わって見えることも魅力のひとつです。
赤い色の宝石.6「ベキリーブルー・ガーネット」
マラヤ・ガーネットの変種で、カラーチェンジ・ガーネットとも呼ばれています。
名前のとおり元々は青色の宝石で、日光の下では青や青っぽい緑色に見えるのに、ロウソクや白熱灯の明かりで見るとたちまち赤く美しく輝くという、唯一無二の性質を持っています。非常に貴重で珍しい種類のガーネットです。
ベキリーブルー・ガーネットは、1970年代には存在が噂されていたもののごく一部の関係者のみが興味を示すのみでした。しかし1987年にはっきりとカラーチェンジするものが発見されると、状況は一変。たちまち世界中から注目を集め、アレキサンドライトをもしのぐほどの人気の宝石となりました。
2つの顔を持つこのガーネットは、マダガスカルのベキリー地区で産出されることから、産地を冠する名前が付けられています。
赤い色の宝石.7「レッド・コーラル(赤珊瑚)」
珊瑚は日本人にとって馴染み深い宝石ですが、鉱物ではありません。海の中に生息する動物です。
珊瑚のうち、骨格を研磨して宝飾品として用いられる種類は通称「宝石珊瑚」と呼ばれています。生息地は深海で、魚と同じように漁師が採取し、専門の職人が加工して宝石となります。宝石珊瑚は1年で数ミリしか成長しないといわれ、大きいものは大変貴重です。赤みが濃いものほど価値が高いとされ、中でも深く美しい赤色のものは「血赤珊瑚」と呼ばれています。
珊瑚の宝飾品としての歴史は古く、人間と珊瑚の出会いを振り返れば旧石器時代にまでさかのぼるほど。ギリシャ神話では、海にしたたり落ちたメドゥーサの血が珊瑚になったと言い伝えられています。
日本には仏教伝来とともに伝わったといわれ、正倉院にある珊瑚でできたビーズが最古のものです。今でこそ日本近海は珊瑚の産地として知られていますが、発見されたのは比較的最近のこと。19世紀頃に土佐湾で珊瑚が獲れることがわかり、明治に入ってから盛んに漁が行われるようになりました。珊瑚は中国の富裕層からの人気も高く、密漁が問題になっています。
赤い色の宝石.8「レッド・スピネル」
スピネルの名前の由来はラテン語で「小さなトゲ」を意味する「spina」。
橋の尖った八面体の結晶であることから、この名前が付けられました。赤い宝石というイメージが強いものの、ブルー、グリーン、イエローといった豊かなカラーバリエーションを持っています。
スピネルはかつて、サファイアやルビー混同されていました。色あいや見た目の美しさがよく似ているうえ、同じ鉱床から産出されることがその原因です。イギリス王家に伝わる「ティモール・ルビー」や「黒太子のルビー(ブラックプリンス・ルビー)」といった有名な宝石も、実際にはスピネルであり、ルビーではありません。
スピネルは天然のままでも美しく、ルビーよりも産出量が少ない希少で貴重な宝石です。知名度はさほど高くありませんが、赤い宝石の中でも至高の美しさを持つ石だといえます。
赤い色の宝石.9「レッド・トルマリン(ルべライト)」
トルマリンは鉱物グループの名称で、赤いものには「ルベライト」、青いものには「インディゴライト」という名前が付けられています。
鑑別方法が確立されていなかった頃は、レッド・スピネルと同様に、ルビーと混同されることがありました。この事実は、裏を返せばそれほどの美しさを持つ宝石だという証明でもあります。
ややピンクの混ざったクランベリー色のものや、ルビーと同じくピジョン・ブラッド(ハトの血)と評される色合いのものが特に高く評価されています。また、インクルージョン(内包物)を含むものが多いのも特徴です。
赤い色の宝石.10「レッド・ベリル」
ベリルとはベリリウムを含む鉱物のこと。
この石にマンガンが含まれることで赤色のレッド・ベリルとなります。ベリル鉱石の中で最も有名な宝石といえば、鮮やかな緑色をしたエメラルドです。このため、レッド・ベリルはレッド・エメラルドと呼ばれることがあります。色味は鮮やかな明るい赤色で、爽やかな美しさを持っています。
レッド・ベリルは非常に希少性の高い鉱石で、アメリカのユタ州近辺でしか採掘されません。しかも大きな原石が採れず、採算が取れないためにすでに採掘が行われていないとも、資源が枯渇したともいわれています。つまり、現在市場に出回っているものは過去に採掘されたものが中心で、今後も流通量が増えることはほぼないでしょう。遠くない未来に、希少品を通り越して幻の宝石になってしまうのかもしれません。
赤い色の宝石.11「アンデシン」
アンデシンは2002年にコンゴで発見されたといわれる比較的新しい宝石です。
ナトリウムを含むアルバイトと、カルシウムを含むアノーサイトがほぼ同じ割合で混ざり合ったときに誕生する石で、「サンストーン」や「ムーンストーン」といった「長石」の仲間です。名前はアンデス山脈に由来して付けられました。日本名では「中性長石」といいます。
アンデシンは赤色のものだけでなく、黄色や緑色のものも存在しています。しかしもっとも人気が高いのは赤系の石で、「チベットの聖石」ともいわれることから、パワーストーンとして人気を集めています。
赤い色の宝石.12「ストロベリー・クオーツ」
クオーツとは水晶のこと。
ストロベリー・クオーツは、透明な水晶の中にインクルージョン(内包物)が含まれることにより赤みを帯びて見える水晶のことを指します。
ストロベリー・クオーツのインクルージョンは、ゲーサイトもしくはレピドクロサイトのどちらか(もしくは両方)です。ストロベリー・クオーツは正式名ではなく通称であり、「苺水晶」という可愛らしい名前で呼ばれることもあります。
ストロベリー・クオーツはインクルージョンがはっきりと見えるものも多く、その量や入り方によってさまざまな表情を見せる石です。色合いも千差万別で、かなり赤く見えるものからほのかにピンク色をしたものまで、幅広く存在します。水晶の透明感と愛らしさから、女性に高い人気を誇る宝石です。
赤い色の宝石.13「サードオニキス」
オニキスとはギリシャ語で「爪」を意味する言葉が名前の由来になったといわれる宝石で、カルセドニーの変種です。
サードオニキスはサード(褐色)を含む縞模様がある石で、赤や白、オレンジといった複数の色を持っています。縞模様がオリエンタルにも神秘的にも感じられる石で、石ごとのコントラストや色の配置を楽しめるのが特徴です。
赤いものは高級感やシックな印象がある一方で、オレンジ色のものは陽気さや元気さを感じさせます。宝石の中では手に入りやすく、パワーストーンとしても高い人気を誇ります。
赤い色の宝石.14「カーネリアン」
カーネリアンは、サードオニキスの縞模様がないものです。
色味はつやのある赤やオレンジで、人工的な処理により色味を鮮やかにしているものも少なくありません。サードオニキスと同じく、装飾用よりもパワーストーンとして用いられる石で、手に入りやすいのがメリットです。カーネリアンという名前は、ラテン語で「肉」という意味の「carnis」が由来だといわれています。
カーネリアンの歴史はかなり古く、太古の昔から宝飾やお守として用いられてきました。メソポタミア王の墓から見つかっている他、ツタンカーメン王の黄金マスクにもあしらわれています。
赤い色の宝石.15「アレキサンドライト」
アレキサンドライトはダイヤモンドと並んで「宝石の王様」と形容される宝石です。
太陽光の下では青っぽい緑色で、人工的な明かりの下では赤色や赤紫に見えるという変色性を持っています。この特性は、アレキサンドライトの他カラーチェンジ・ガーネットなどごく一部の宝石のみが持つもの。色の変化がとびぬけて大きいアレキサンドライトは、その美しさゆえに「昼のエメラルド」「夜のルビー」と評されています。
アレキサンドライトは色の変化が大きければ大きいほど価値が高く、世界中のコレクターから熱い視線を集める特別な宝石です。しかし産出量は減少しており、希少性からダイヤモンド以上の価格が付くこともあります。
赤い色の宝石.16「レッドアベンチュリン」
「アベンチュリン」は内包した微小な粒がキラキラと美しく、1700年頃にイタリアで発明された「アベンチュリングラス」に似ていることから名付けられました。赤色以外にも褐色、黄色、緑色などさまざまな色があります。
和名にすると「砂金水晶」。その名の通り粒がまるで砂金のように美しく輝く魅力的な宝石です。
赤い色の宝石.17「ロードクロサイト」
「ロードクロサイト」は日本では「インカローズ」という名でパワーストーンとして目にする機会の方が多いかも知れませんが、パワーストーンとしての石は透明度が低いのに対し、宝石としてのロードクロサイトは透明度の高い鮮やかなチェリーレッドをしています。
高品質のものは米国でしか採掘されないため「レッドベリル」「ベニトアイト」と並んで「アメリカ三大希少石」と呼ばれます。エメラルドと同じように硬度が低くへき開(一定方向に割れやすいこと)が強いので扱いには注意が必要です。
赤い色の宝石.18「ジャスパー」
「ジャスパー」は不透明な褐色の宝石で、サードオニキスやカーネリアンと同じくカルセドニーの1種で代表的なものが赤褐色の石になります。大昔から宝石や装飾品に使われてきた伝統ある宝石です。
カボションにカットされたり、カメオに使用されることが多いのがこのジャスパーです。
赤い色の宝石.19「バナジナイト」
「バナジナイト」はバナジウム、鉛、酸素、塩素が結びついた鉱物です。1830年に名付けられたこの名前は、バナジウムを含む鉱石であること、そして北欧神話で愛と豊穣の女神である「バナジス」に由来します。
キラキラととても美しい輝きを持つバナジナイトですが、硬度が3しかないため、ジュエリー加工が非常に難しい石です。
赤い色の宝石.20「インペリアルトパーズ」
トパーズは無色の他、橙色、黄色、青色、紫色、ピンク色と多くの色が産出しますが、中でもロゼワインのような赤色のトパーズを「インペリアルトパーズ」と呼びます。インペリアルの由来はトパーズの主産地であったブラジルで当時即位していた「皇帝ドン・ペドロ2世」からきています。
インペリアルトパーズのカットは上面から見たときに色が濃く見えるように考えられて決められています。
まとめ|赤色の宝石の価値を知るなら宝石買取店へ
エネルギーや熱を象徴し、華やかで人の目を引きつける赤色は、宝石のカラーとしても非常に魅力的です。
華やかな雰囲気を演出したいときや、石のパワーを借りたいときには、ぜひ赤い宝石を身に着けてみてください。
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