新生セリーヌを担うエディ|歴代デザイナー4名を紹介

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世界中のセレブに支持されるハイブランド、セリーヌ(CELINE)

現在のセリーヌを担うデザイナーは、2018年に就任したエディ・スリマンです。

それまでのセリーヌ歴代デザイナーも「マイケル・コース」や「フィービー・ファイロ」などファッション界を代表する人物ばかり。

ブランドのイマジネーションや進化において、デザイナーの存在は計り知れなく大きいはずです。

そこで今回はセリーヌに大きな影響をもたらしてきた歴代のデザイナーたちをご紹介していきます。

セリーヌの歴代デザイナー

創業からの歴代デザイナーは下記のとおりです。

期間

デザイナー名

1945年~1997年

セリーヌ・ヴィピアナ

1997年~2004年

マイケル・コース

2005年・2006年

ロベルト・メニケッティ

2007年

イヴァナ・オマジック

2008年~2017年

フィービー・ファイロ

2018年~

エディ・スリマン

この中から、今日のブランドの隆盛を語るうえで欠かせない、4名のデザイナーにスポットを当ててご紹介していきます。

1945年~1997年:ブランドを愛し抜いた「セリーヌ・ヴィピアナ」

ブランド初期のチーフデザイナーは創業者のセリーヌ・ヴィピアナ

当時主な取扱いだった子ども靴や婦人用の靴、パンプスのデザインを手掛けていました。「自らの子供のために」と高いデザイン性だけでなく、人体の構造も考慮された安心で安全なアイテムは、瞬く間にパリの上流階級のあいだで評判になります。

1966年には、馬車の柄とバックルをモチーフにしたバッグ「サルキー」が大ヒット。

1967年からはプレタポルテ(高級既製服)コレクションを始め、セリーヌは当時大流行していた「B.C.B.G.(上流社会のフレンチカジュアル)」の代名詞として定着しました。

セレブ御用達として隆盛を極めていたセリーヌでしたが、B.C.B.G.が廃れるにつれてブランドの勢いも衰退していきます。「時代遅れ」のレッテルを張られたのです。

この窮地を救ったのがマイケル・コースでしたが、セリーヌ・ヴィピアナは1997年に彼女が亡くなるまで実に50年以上ものあいだ、セリーヌのデザイナーとして勤め上げたのです。

このことからも、浮き沈みを経験しても尚、彼女がブランドへの愛情を失わなかったことがわかりますね。

1997年~2004年:新風を吹き込んだ「マイケル・コース」

マイケルコース就任前のセリーヌはというと、トレンドや時代の変化に追いつけず、若者からすると何の魅力も感じられないブランドとして低迷をしていたころです。ターゲット年齢層が高く「セリーヌはマダム向け」というイメージが強いことが理由でした。

そんなセリーヌに新風を吹き込んだのが、有名ブランドを持ち、自身がデザイナーである「マイケルコース」です。

彼は自身のマイケルコースブランドがヒットを飛ばしだしたと同時期の1997年、セリーヌのクリエイティブディレクターに就任します。

かつての繁栄に影が射していたタイミングでの、マイケルコースのもたらしたンセプトデザインは「セリーヌの若返り」と称されるほどの新しい風を吹かせることとなります。

 よりスタイリッシュで都会的なマイケルコースの手掛けるセリーヌのデザインは、キャリア女性を中心に多くのファンを獲得することとなります。

 新時代のデザイナーであるマイケルコース起用に至ったのには、前年1996年にセリーヌがLVHMグループの傘下に入ったことでブランドの指針を強く固められたことも関係しているでしょう。

マイケルコースの代表作【ブギーバッグ】【マカダム】

マイケルコースは、これまでのセリーヌの伝統的なデザインから、都会的でスポーティテイストを織り交ぜた実用性の高いアイテムを生み出しました。

 デザイナー就任後の2002年、マイケルが手掛けて大ヒットとなった「ブギーバッグ」を、2003年には一度廃盤となった「マカダム」も考案し、これが瞬く間にアメリカシティ派の女性の心を掴みます。

 ハイブランドでありながら、どんなシーンでも使える、それに高すぎて買えないこともないという点は都会の女性達に大きな魅力として映ったのです。

 映画に出演する女優の衣装をデザインするなどの活躍も見せており、世の女性にとってマイケルコースが手掛けるセリーヌというブランドの価値はとても高いものだったでしょうし、マイケルコースがセリーヌに残した功績は多大なものでした。

 マイケルコースは2004年にデザイナーを退任しましたが、彼なくしては今のセリーヌはなかったともいえるほどの重要な人物です。

2008年~2017年:多くの定番を生んだ「フィービー・ファイロ」

2000年代に人気を取り戻したセリーヌ。

現在に続くこの人気をさらに大きなものにしたのは、2008年にセリーヌのデザイナー兼CEOとして就任したフィービー・ファイロという女性です。彼女は若年ながらもクロエで活躍していた敏腕デザイナーであり「シーバイクロエ」を作った人物。

2017年にセリーヌを退任するまでに、その名声にふさわしい数々の作品をセリーヌに誕生させてきました。

セリーヌの代名詞【ラゲージ】ほか定番シリーズ生みの親

彼女は現在のセリーヌのバッグで最も代表的な「ラゲージバッグ」、「トラペーズ」「カバ」「クラシック」などそうそうたるヒットシリーズの生みの親です。

フィービーは創業者セリーヌ・ヴィピアナの持っていたコンセプトを大事にしつつ、シンプルながらもアクセントやほかにはない個性を感じる多様なデザインが評価されました。

 セリーヌのデザイナーとして今でも評価が最も高いフィービーは、イギリス女王の賞を受賞したり、「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたりと、デザイナーとしては異端の存在です。

セリーヌに欠かせない人物であったフィービーですが、デザイナー交代のため2017年に退任をしました。

2018年~:新生セリーヌを担う「エディ・スリマン」

2018年になると、イヴ・サン=ローランやディオール・オムでクリエイティブな活躍をしてきたエディ・スリマンをデザイナーとして迎えます。ファッション界では大物であり、異端な人物、しかし絶大な支持があるデザイナーです。

エディのデザインはというと独特なロックテイストが持ち味だったため、そういうイメージとは大きく反するセリーヌへのデザイナー就任は意外だと騒がれました。これまでブランドコンセプトの変化、転換期をデザイナーや時代とともに過ごしてきたセリーヌは、新たな挑戦としてエディを起用したのだと思われます。

エディが手掛ける新生セリーヌのデザインは予想通り、これまでのセリーヌを覆すような斬新なものでした。

従来のセリーヌとかけ離れた雰囲気であることから、新生セリーヌの評判は悪いものも噴出しましたし、「フィービーの作るデザインが良かったのに」といった過去を惜しむ声もあり、前途多難感は否めません。

しかしながら、エディは着実にセリーヌの革新とマーケティングを行っています。

まずレディース一辺倒だったセリーヌに、新たにメンズラインを設けます。メンズはエディが得意とする分野であり、ファッション分野における「スキニースタイル」を定番にした人物でもあるので、ロックでタイトなコレクションが並びました。

また、過去に廃盤となったセリーヌのバッグ「マカダム」をリバイバルさせたり、初期から変わらなかったロゴの刷新など、積極的な活躍を見せています。

まだまだ進化を続けるセリーヌ、これからの展開が楽しみです。

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